ファドはポルトガルの心を歌い上げる。「ポルトガルとポルトガル人の心を語る時に、なくてはならないもの。それがファドと呼ばれる歌にある。」。ファドは1870年頃にリスボンのアルファマ地区で生まれたといわれています。現在、ファドには、リスボンのファドとコインブラという町で歌われるファドがあります。
リスボンのファドは、実らぬ恋の苦しさ、海へ出て帰らぬ恋人を待つ想い、達成されなかった夢といった、哀愁、憂いの感情、ポルトガル語で言う“サウダーデ”の心を表現しています。自分の心の奥底にあるものを切々と語り、歌い上げるものです。黒い服を身に纏った歌い手がギターラ・ポルトゲーザというポルトガル独特の、胴が円形で底が平たい12弦ギターの伴奏で歌います。毎晩、裏町のファドハウス、小さな酒場でも、プロ・近所の人達など誰かが必ず歌っています。
コインブラのファドは、数多くの詩人を輩出し、ポルトガル最古であり、素晴らしい観光名所であるコインブラ大学の学生の間から生まれたものです。リスボンの裏町で歌われる悲しい旋律のファドではなく、美しい自然や青春の感傷を明るく歌い上げるのが特徴です。セレナーデを基調にした旋律を、もっぱら男性のファディストが歌います。
さて、この写真の商品は、ポルトガル大手磁器メーカーである、VISTA ALEGRE社製のFADOを歌い、伴奏する人達が描かれたコーヒーカップです。おしゃれなカップ&ソーサー、HPでご覧下さい。